1977 - 1979

  • 1977年

    • ボストンの Boston University でライブを行う。音源4曲がネットにアップされている。
      • Just What I Needed,
      • I'm In Touch With Your World,
      • Cool Fool,
      • Strawberry Moonlight(未発表曲)

      動画のタイトルと概要には"Cars First Appearance" とあるが、何月頃のライブかは不明。

    • 4月
      Northern Recording Studios(マサチューセッツ州 Maynard)で12曲のデモを1日でレコーディング [1]

      資料により分かる録音曲は以下の10曲

      • Just What I Needed,
      • My Best Friend's Girl,
      • I'm In Touch With Your World,
      • Don't Cha Stop,
      • You're All I've Got Tonight,
      • Wake Me Up,
      • Take Me Now,
      • Cool Fool,
      • Leave or Stay,
      • Ta Ta Wayo Wayo

      前者5曲は1999年リリースのデラックス・エディションに収録。 後者4曲は1995年リリースのアンソロジーに収録。 レコーディングはオーヴァーダビングなしの2トラック録音。バンドはデモテープをラジオ局やレコード会社へ送る。

    • Cap'n Swingやデイヴィッドを知っていたボストンのラジオ局 WBCN のDJ, Maxanne Sartori が デモテープの"Just What I Needed" を気に入り、自身の昼間の番組でヘビーローテーションで掛けまくる。

      ここをきっかけに、デビュー前ながらリクエストが殺到。ヒット曲を掛けるような他のラジオ局にもエアプレイが 広がったらしい。

    • 6月
      ボストンのスタジオ Music Designers でデモをレコーディング[2]

      資料により分かる録音曲は以下の6曲。いづれも1999年リリース デラックス・エディションに収録。

      • My Best Friend's Girl,
      • Bye Bye Love,
      • All Mixed Up,
      • Take What You Want,
      • You Just Can't Push Me,
      • Hotel Queenie
    • バンドがクラブや軍基地などで精力的にライブ活動を行う中、ラジオのヘビロテも後押しし、多くのレコード会社の注目がThe Cars に集まる。
      レコード会社8社がバンドを争奪戦。最後は大手、アリスタとエレクトラの熱烈な誘いの末、エレクトラがThe Cars と契約を結ぶ。

      アリスタの代表、クレイグ・デイヴィスはライブ前のバンドを自らディナーに誘うほどのスカウトぶりであった [3]が、エレクトラにさらわれた。

    • Suicide(1977)
      リックやカーズとつながりの深いバンド、Suicide のファーストアルバムがリリース。

      後の2011年、The Cars のアルバム Move Like This のアメリカBest Buy 盤ボーナストラックのひとつ、 "Rocket USA" のオリジナル版がこのアルバムに収録されている。

  • 1978年

    • 2月
      ロンドンのスタジオにプロデューサーのロイ・トーマス・ベイカーと入り、デビューアルバムのレコーディングをスタート。

      エリオット レコーディングに12日間、ミックスに9日間掛かった。自分のギターパートは1日半で全部終わらせたんだけど、 一番憶えている事といったら、風邪を引いてレコーディング中はひどく具合が悪かったってことだね。 [4]

      ロイ・トーマス・ベイカーのプロデュースはバンドが希望した訳でなく、エレクトラが送り込んだものであった。 事前にロイにボストンの学校体育館でのバンドのライブを見せ、プロデュースを受諾させた。[5]

    • 5月29日
      アルバムに先駆け、ファーストシングル Just What I Needed(邦題:燃える欲望)リリース

      B面は I'm In Touch With Your World(邦題:狂気のふれあい)

    • 6月6日
      ファーストアルバム THE CARS (邦題:錯乱のドライブ カーズ登場)リリース

      The Cars(1978)

    • 7月18日
      クリーヴランド,Agoraでのライブ。ブートを以下のサイトのストリーミングで楽しめます。

      THE CARS AT THE CLEVELAND AGORA IN 1978: 106.5 THE LAKE - 以下セットリスト -

      • Intro/Good Times Roll,
      • Bye Bye Love,
      • Nightspots,
      • I'm In Touch With Your World,
      • Best Friend's Girl,
      • Moving In Stereo,
      • All Mixed Up,
      • Take What You Want,
      • Don't Cha Stop,
      • You're All I've Got Tonight,
      • Just What I Needed,
      • Hotel Queenie,
      • Something Else
    • 9月
      米テレビ番組 Midnight Special で演奏がオンエア
    • 9月14日
      カナダ・トロント El Mocamboでのライブ。のち10月13日にKing Biscuit Flower Hourで放送される。

      その放送からの音源がブート盤 Live at the el mocambo として出回っている模様。以下ブート収録曲。

      • Intro/Good Times Roll,
      • Bye Bye Love,
      • Nightspots,
      • Best Friend's Girl,
      • Moving In Stereo,
      • Since I Held You,
      • Take What You Want,
      • They Won't See You,
      • Don't Cha Stop,
      • Just What I Needed,
      • Candy-O,
      • You're All I've Got Tonight
    • 9月22日
      ニューヨーク Palladium でのライブが行われた模様。このライブはCheap Trickのオープニングアクト。

      これものちにKing Biscuit Flower Hourで放送されたようで、その放送からのブート盤があり。以下ブート収録曲。

      • Intro/Good Times Roll,
      • Bye Bye Love,
      • Nightspots,
      • Best Friend's Girl,
      • Moving In Stereo,
      • Since I Held You,
      • Just What I Needed,
      • Candy-O,
      • Don't Cha Stop,
      • You're All I've Got Tonight

      "Bye Bye Love" の曲頭でリックが"It's good to be back in New York, with Cheap Trick." と言っている のが聞こえます。

    • 10月10日
      シングル My Best Friend's Girlリリース

      B面は Moving In Stereo, しかしライナーノーツのエレクトラ・データによるとB面は Don't Cha Stop のようにも 見受けられます。両方あったのでしょうか。

    • 10月
      Northern Recording Studios(マサチューセッツ州 Maynard)でデモをレコーディング
      この時のデモ、"They Won't See You" が1999年リリースのデラックス・エディションに収録。

      グレッグのライナーノーツによると24トラックでのレコーディング。次のアルバム Candy-O のためのデモだったとのこと。 [6]

    • 11月13日
      ボストンのクラブ Paradise でライブ
      この日の "Good Times Roll" が1999年リリースのデラックス・エディションに収録
    • DVD the cars live
      11月後半
      ヨーロッパ各地を廻るプロモツアーを敢行
      DVD :the cars live - recorded live on musikladen 1979 (ライブ・イン・ブレーメン 1979)のライブもこの時にドイツで行われたものと思われる

      Musikladenでカーズのライブが放送されたのは 翌1979年6月7日

    • 11月17日
      ベルギー・ブリュッセルでフォトセッションとライブを行った模様

      new wave photos by Philippe Carly のサイトにその時の写真が多く 掲載されています

    • The Cars image
      11月22日頃
      イギリス・ブライトンのUniversity of Sussex にて英テレビ番組 Rock Goes to College のライブ収録 [7]

      放送は翌1979年1月13日。この放送もブート盤で多く出回っています。以下ブート収録曲。

      • Just What I Needed,
      • Good Times Roll,
      • I'm In Touch With Your World,
      • My Best Friend's Girl,
      • Moving In Stereo,
      • All Mixed Up,
      • Nightspots
      • Bye Bye Love,
      • Don't Cha Stop,
      • You're All I've Got Tonight

      "I'm In Touch With Your World" が欠けていますが、それ以外の曲と未放送の2曲 "Candy-O", "Hotel Queenie" の動画がアップされています。

    • The Cars image
      11月27日頃
      フランスでミニライブ(テレビ向け?)を行った模様

      フランスのテレビで放送されたと思われる3曲、Good Times Roll, Bye Bye Love, My Best Friend's Girl, の 映像がアップされています。

    • The Cars image
      イギリスの音楽番組 The Old Grey Whistle Test にも出演。(詳細な収録日・放送日は未確認)

      リック、デイヴィッドへのインタビューと "Best Friend's Girl", "Just What I Needed" の 演奏映像が動画でアップされています。

    • The Pop(1978)

      画像引用元:discogs

      デイヴィッドが1973年頃 ロスで在籍していたバンド、The Pop がAutomatic labelからデビューアルバムをリリース(1977年リリースの可能性もあり)

      (注:このアルバム音源にデイヴィッドは関わっていません)翌1979年 The Pop はカーズを逃したレコード会社大手・アリスタと契約し、 アルバム GO! をリリース。 allmusic 掲載の批評によると「アリスタは彼らのサウンドを イギーらしいパワーサウンドから、FIXXやCARSっぽく変えてしまった」とあります。

  • 1979年

    • 1月13日
      イギリスのテレビ番組 Rock Goes to College で、11月収録のライブが放送される
    • Rolling Stone magazine #283
      1979年1月25日号の Rolling Stone 誌 (#283) の表紙を飾る
    • 2月15日
      第21回グラミー賞がロス Shrine Auditoriumにて開催。
      カーズは Best New Artist(最優秀新人賞)にノミネートされ出席したが、受賞ならず。

      最優秀新人賞は女性2人組グループ、A Taste of Honey が受賞。ノミネートは以下の興味深い顔ぶれ。

      • The Cars
      • Elvis Costello
      • Chris Rea
      • TOTO

      新人賞発表の様子が動画でアップされており、客席に並んで座るカーズの5人が、 発表も終わった辺りにチラッと映ります。黒サングラスのリックとエリオットが目印。

      The Cars image

      カーズは他に 1stアルバムのジャケットを手掛けたRon Coroが Best Album Package (現名称はBest Recording Package)にノミネートされましたがこちらも受賞ならず、カーリー・サイモンの Boys in the Trees のジャケットが受賞。残念。 ちなみにこの年のグラミー賞 Song of the Year は、ビリー・ジョエルの "Just The Way You Are"。 [10]

    • 2月20日
      シングル Good Times Roll リリース

      B面は All Mixed Up

    • 3月
      ロングセールスを続けるファーストアルバム、3月にThe Billboard 200 で最高位18位に到達。

      アルバムは最終的に139週間(2年半以上)もの間、アルバムチャートにランクインし続けた。 1995年4月付のRIAAでファーストアルバムは600万枚のセールスが認定。アルバム「グレイテスト・ヒッツ」 と共にバンドで最も多い売上数を誇っている。

    • the cars image
      6月7日
      ドイツの音楽番組 Musikladen ミュージックラーデンで カーズのスタジオライブが放送される

      のち2000年にDVD,VHS でthe cars live - recorded live on musikladen 1979 (ライブ・イン・ブレーメン 1979)としてリリース

    • 6月12日
      セカンドアルバムからのシングル Let's Go リリース

      B面は That's It, これはセカンドアルバム未収録曲。のち1995年リリースのアンソロジーに収録された。

    • 6月13日
      セカンドアルバム CANDY-O (邦題:キャンディ・オーに捧ぐ)リリース

      Candy-O(1979)

    • 7月15日
      オハイオ州 Legend Valley の野外ライブに出演

      他の出演アーティストは Cheap Trick, Eddie Money, Utopia など

    • Sweet Potato magazine cover(Aug.1979)

      photo credit:CITYPAGES

      8月
      ミネアポリス Twin Cities の地元音楽雑誌 Sweet Potato の創刊号の表紙を飾る

      詳細がCITYPAGES blog 記事に掲載されています

    • 8月24日
      ニューヨークのセントラルパークのDr.Pepper Music Festival(毎夏開催されていた音楽フェス)に、この日カーズが出演。
    • 9月初め
      ABC Radio の Supergroups in Concert に出演。ライブとインタビューが収録、放送された模様。

      ブート音源が Groovesharkのストリーミングで音源を聴けるようです

    • 9月25日
      シングル It's All I Can Do リリース

      B面は Got A Lot On My Head

    • 9月(28日?)
      米テレビ番組 Midnight Special で カーズがホストを務めた回が放送

      The Cars の他に Suicide, The Records などがライブパフォーマンスを披露。IMDbの投稿情報によると、 カーズが演奏した曲が以下のように書かれています。[8]

      • Let's Go,
      • Moving In Stereo,
      • Candy-O,
      • Dangerous Type,
      • Got A Lot On My Head,
      • Nightspots

      このうち、Let's Go, Moving In Stereo, Candy-O, Dangerous Type が動画でアップされています。 メンバーは途中で衣装チェンジしているようです。

      エリオット (リックの「わざとらしいショーは演りたくなかった」という話の流れで) ミッドナイト・スペシャルって番組のホストをやった時なんか、ひと言も喋らなかった。 あんな構成のミッドナイト・スペシャルは、あの回だけだ。 デイヴィッドムリを言えば出なくて済むと思ったら、その条件が通ってしまって。結局、番組に出るハメになった。 リック自分達の好きなバンドばかり出演させた。 デイヴィッド数百万人の視聴者を前にスーサイド(Suicide)を出したり。[9]

    • Music Life magazine
      11月
      (日本)日本の洋楽雑誌 MUSIC LIFE ミュージック・ライフ 1979年12月号の表紙を飾る
    • 12月11日
      シングル Double Life リリース

      B面は Candy-O

    • Ian Lloyd 'Goose Bumps'
      リックは元Stories の Ian Lloyd イアン・ロイドに"Slip Away" を楽曲提供
      1979年のイアンのソロアルバム Goose Bumps に収録。リックとベンがバックヴォーカルと演奏でゲスト参加。

      ギターは元エアロスミスの Jimmy Crespo. カーズ自身によるこの曲のデモテイクは、1995年リリースのアンソロジーで初収録。


【脚注一覧】

  1. 1977年 4月デモレコーディング
    The Cars 1999年リリースTHE CARS:Deluxe Edition (Elektra #75700) ライナーノーツ 20-21ページ(Greg Hwarkes 寄稿)
    The Cars 1995年リリースJUST WHAT I NEEDED:Anthology (Rhino/Elektra #73506) ライナーノーツ 9-11ページ(Brett Milano 寄稿)

    ※前者は12曲を録音、後者は9曲を録音したと記載あり。双方を総合して年表に反映。

  2. 1977年 6月デモレコーディング
    The Cars 1999年リリースTHE CARS:Deluxe Edition (Elektra #75700) ライナーノーツ 20-21ページ(Greg Hwarkes 寄稿)
  3. 1977年 アリスタのスカウト
    The Cars 1995年リリースJUST WHAT I NEEDED:Anthology (Rhino/Elektra #73506) ライナーノーツ 11ページ(Brett Milano 寄稿)
  4. 1978年 エリオットの思い出
    The Cars 1999年リリースTHE CARS:Deluxe Edition (Elektra #75700) ライナーノーツ 19ページ
  5. 1978年 2月ロイのプロデュース
    The Cars Candy-O デジタルリマスター版(WPCR-14383)ライナーノーツ 2ページ(矢口清治 寄稿)
  6. 1978年 10月デモレコーディング
    The Cars 1999年リリースTHE CARS:Deluxe Edition (Elektra #75700) ライナーノーツ 21-22ページ
  7. 1978年 11月Rock Goes To College
    日付に関しては Ebet Roberts によるライブ写真クレジット: gettyimages より
  8. 1979年 9月Midnight Special
    The Midnight Special,Episode dated 28 September 1979: IMDb

    ※投稿情報は2007年6月15日記述 Ranjit Dighe のコメントより。放送日等に関しては、このサイトには 「9月28日」とあるが、映像には「9月17日」の文字がクレジットされており、明確に断定は出来ない状況である。

  9. 1979年 9月Midnight Specialを振り返る
    the cars live:カーズ ライヴ・イン・ブレーメンDVD 2000年バンド・インタビューより
  10. 1979年 2月第21回グラミー賞の内容
    1979 Grammy Awards: metrolyrics
  • アルバム・シングルのリリース日程
    日付に関しては、The Cars 1995年リリースJUST WHAT I NEEDED:Anthology (Rhino/Elektra #73506) ライナーノーツ記載のエレクトラ・データを参照。よってアメリカベースの日付。
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