Benjamin Orr

THE LACE―1986年

Benjamin Orr THE LACE(1986)
  1. Too Hot To Stop
  2. In Circles
  3. Stay The Night
  4. Skyline
  5. When You're Gone
  6. Spinning
  7. Hold On
  8. The Lace
  9. That's The Way
  10. This Time Aroud
【プロデューサー】
マイク・シップリー、ベンジャミン・オール、ラリー・クレイン
【レーベル】
エレクトラ (Elektra/Asylum Records)
【レコーディング】
The Wool Hall(イギリス Beckington) ,Blue Jay Studios(マサチューセッツ州Carlisle)
■勝手にレヴュー■
最初で最後、ベンジャミンのソロアルバムです。カーズのHeartbeat City ツアーが終わった後、製作されました。 すべての曲はベンと、当時の恋人ダイアン・グレイ・ペイジとの共作となっています。 なのでアルバム全体も、ベンと彼女との愛の歌のような構成となっております。ふたりは長く続いた割に結婚はせず、 後に別れてはしまうのですが。
それはともかく、ベンのソロ作品はカーズのクールさやアバンギャルドさからは離れた、彼らしい人間味あふれる優しげな作風と なっております。黒レザーとバイクでビシッと決めてるくせに、アルバムはほんわかキーボード満載で、ロックじゃないのね… などと個人的に思ったこともありました。が、粒ぞろいの曲が集まった良いアルバムです。ベンのヴォーカルも素晴らしい。 コーラス処理などがあまりかかっていない"When You're Gone" や"This Time Aroud" は特に光っています。
ライナーノーツによると、ベン本人の一番のお気に入りは、ラストの"This Time Around" だそうですよ。

Benjamin Orr

The Grasshoppers―1965年

Ben Orr The Grasshoppers
ベンがリックと出会う前に活動していた、クリーブランドのローカルバンド。2枚のシングルリリースをしました。 お揃いのスーツにポマードの七三分け…まさに60年代らしいバンドスタイル。 この写真とサウンドに触れると、ベンのキャリアの長さを痛感します。
"Pink Champaign" はベンが書いた曲らしいです。ヴォーカルもベンですね。B面の2曲はインストです。

The C.A.R.E.Session "The Eyes of The Childeren" ―1985年

Ben Orr in The C.A.R.E.Session(1985)

これはクリーヴランド版We Are The World のようなもので、エチオピアの子供達への チャリティとして、クリーヴランドのローカルミュージシャンや縁のある人々がThe C.A.R.E.Session という ユニット名で集まって歌う企画モノです。 まさに当時はそういう時代ですね。 ベンジャミンも一節歌って参加しています。動画にはインタビューも少し入っていて嬉しいです。


Joni MitchellCHALK MARK IN A RAINSTORM―1988年

Joni Mitchel 'CHALK MARK IN A RAIN STORM'(1988)
  1. My Secret Place
  2. Number One
  3. Lakota
  4. The Tea Leaf Prophecy (Lay Down Your Arms)
  5. Dancin' Clown
  6. Cool Water
  7. The Beat Of Black Wings
  8. Snakes And Ladders
  9. The Reoccurring Dream
  10. A Bird That Whistles
    (Arrangement Of The Traditional Work 'Corrina, Corrina')
ジョニ・ミッチェルが1988年にリリースしたアルバムに、ベンが参加しております。 2曲目"Number One" と7曲目"The Beat of Black Wings"のバックヴォーカルです。
ベンのソロTHE LACE にジョニ・ミッチェルの当時の旦那ラリー・クレインが演奏やプロデュースで関わっていた つながりもあったり、ベン及びカーズとジョニ・ミッチェルはLookout Management創設者のエリオット・ロバーツ との共通のつながりもあったりで、なるほどねという流れ。
ジョニ・ミッチェルはリリース当時の雑誌インタビューで、「ベンは豊かなバリトンをめったに使ってない。 で、私が使うことにした。」[1]と言っています。

Benjamin Orr 未発表曲7作―レコーディング 1990年代半ば頃

■勝手にレヴュー■
ベンジャミンは90年代半ば頃に、THE LACE に続くアルバムを見据えて新しい楽曲をレコーディングしていたそうです。 残念ながらそれらは正式にリリースされることはなく現在に至りますが、どこから得られるのか、 海外ファンの方々がネットにアップして下さっています。7曲がネット上で存在しております。
THE LACE の頃、共に曲作りをしたベンの恋人ダイアン・グレイ・ペイジとは当時既に別れてしまっていて、 90年代からベンが亡くなるまで音楽活動を共にしていた親友のギタリスト、John Kalishes と 書いた楽曲のようです。全体的に80年代ぽい雰囲気ではありますが、前作にも似た温かみと、前作には欠けていたロックテイストと、 ベンならではの男の色気とが相まった、素晴らしい出来だと思います。
当時ローカルで行われていたベンのライブでも、この新曲たちはよく歌われていたようです。
是非とも聴いてみてください!

The Voices of Classic Rock
Live By The Waterside "Just What I Needed" ft.Benjamin Orr of the Cars ―1998-2000年頃

The Voices of Classic Rock Just What I Needed
  1. Just What I Needed
【ライブ日】
確認中 1998-2000年の間ではあるはず
【レーベル】
Rock Forever
■勝手にレヴュー■
mp3配信のみのリリース。 1998年に結成されたイベント的プロジェクト The Voices of Classic Rock のライブ音源です。
これは、70年代・80年代のヒット曲を持つヴォーカリスト達をライブで集めてそれぞれ歌う、という趣旨のものなので、 ライブごとに歌うメンバーも流動的であるようです。ベンジャミンも生前これに名を連ねておりました。
バックの演奏はカーズではありません。サビのコーラスが女性なのが、違和感を通り越してある意味新鮮です。 この頃のベンの歌声はかなり貴重なので、それを楽しむのにはお薦めです。 ジャケットの写真はライブ当時ではなく、78-79年頃のベンです。念のため。
これのライブの日付等の詳細を確認中ですが、なかなか分かりません。ご存知の方は是非教えてください。

The Voices of Classic Rock
Live By The Waterside "Bye Bye Love" ft.Benjamin Orr of the Cars ―1998-2000年頃

The Voices of Classic Rock Bye Bye Love
  1. Bye Bye Love
【ライブ日】
確認中 1998-2000年の間ではあるはず
【レーベル】
Rock Forever
■勝手にレヴュー■
上記の"Just What I Needed"と同じ時のライブでしょう。 バックバンドのキーボードが出だしをいきなり間違えていて、あぁカーズの5人で聴きたかったな…と 思うことこの上なしです。
ベンは高音がちょっと(いや、だいぶ)辛そうですが、結構声には張りがあって、低音のgood voiceっぷりは 相変わらずです。これのジャケット写真はDoor To Doorの頃ですね。 いつ頃のライブだったのか知りたいです。

Hi-Def Michael Stanley & Cleveland Browns All Star BandHere We Go Again
―1998年

Ben Orr in Cleveland Browns All Star Band

上で紹介したWe Are The World もどきに似ていますが、こちらはクリーヴランドにアメフトチームの クリーヴランド・ブラウンズが戻ってきた時の、地元ミュージシャン達による応援歌です。 (チームが別の都市に売却され、数年後新たにチームが組み直されカムバックできたようです。)
ビデオでは、ベンがどこかの階段に立ってひとり歌っています。ギターもないので手持ち無沙汰な感じが微笑ましいです。 ちょっとふっくら。でも病気前だから元気そうでいいじゃないですか。


■脚注■

  1. LADY OF THE CANYON ,A few things about Joni Mitchell (ジョニ・ミッチェルへのインタビュー):SPIN 1988年5月号 67ページ(googleブックスより)

■参考資料■

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