JUST WHAT I NEEDED:Anthology―1995年

The Cars Anthlogy(1995) The Cars Anthlogy(1995) disc
  1. Just What I Needed
  2. My Best Friend's Girl
  3. Good Times Roll
  4. You're All I've Got Tonight
  5. Don't Cha Stop
  6. Moving in Stereo
  7. Take Me Now *
  8. Cool Fool *
  9. Let's Go
  10. Candy-O
  11. Dangerous Type
  12. Double Life
  13. Got a Lot on My Head
  14. It's All I Can Do
  15. Night Spots [Early Version]*
  16. Slipaway *
  17. That's It
  18. Panorama
  19. Gimme Some Slack
  20. Don't Go to Pieces
  1. Touch and Go
  2. Don't Tell Me No
  3. Shake It Up
  4. Since You're Gone
  5. I'm Not the One
  6. Cruiser
  7. Little Black Egg *
  8. Funtime *
  9. You Might Think
  10. Drive
  11. Magic
  12. Hello Again
  13. Why Can't I Have You
  14. Breakaway
  15. Tonight She Comes
  16. You Are the Girl
  17. Strap Me In
  18. Door to Door
  19. Leave or Stay [1977 Demo]*
  20. Ta Ta Wayo Wayo [1977 Demo]*
* 印は初リリース曲
【レーベル】
ライノ(Rhino)、Wea

ありがたいベスト盤

ベスト盤の類ですが、初収録モノも多く、ライナーノーツも大変充実した、解散後の大変にありがたいリリース品なので、 このオリジナルアルバムの流れに置いておきます。 2枚組、計40曲のうちここで初めて聴くことができるのは8曲、シングルB面曲も含めると11曲もあります。

ありがたや ライノ様。(ライノはワーナー傘下の企画モノ・再発系レーベル)

デビュー前デモ4曲と初期Nightspots

未発表曲がリリースされることほど、ファンにとって嬉しいことはありません。"Take Me Now" "Cool Fool" "Leave or Stay" "Ta Ta Wayo Wayo" の4曲はデビュー前の1977年春レコーディングのデモ。

前者2曲は未発表で、後者2曲は1987年のアルバム DOOR TO DOOR に使われています。 正直アルバム版よりデモ版のほうが格好良いような。

ベンがヴォーカルをとる"Take Me Now" はスローなバラード。"Cool Fool" リックとエリオットの共作! ノリのいいギターリフです。

"Night Spots" は[Early Version]という名の通り、アルバムCANDY-O より前の、ファーストアルバムのための 録音バージョン。後のリリースバージョンよりも重々しく感情を排除したようなアレンジが最高で、管理人はどちらも好きです。

イアン・ロイドへの提供曲 "Slipaway"

リック作の"Slipaway" はイアン・ロイド(Ian Lloyd)に提供された曲で、リックが歌うカーズ版がここで初お目見えしました。 ライナーノーツによると、カーズ版レコーディングは1978年終わりか1979年初め頃とのこと。 50年代っぽさも漂う軽快な曲で、80年代風に書くなら「ゴキゲンなロックチューン」といった感じ。

Ian Lloyd Goose Bumps(1979)

イアン・ロイド版は、彼の1979年リリースの初ソロアルバムGOOSE BUMPS 邦題「妖しい叫び」に収録されています。"Slipaway"に、リックとベンが演奏とバックヴォーカルで参加。 ギターは元エアロスミスのジミー・クレスポが弾いているようです。イアン・ロイドは自身のバンド、ストーリーズで 出したシングル「ブラザー・ルイ」(ホット・チョコレートのカバー)が1973年8月にビルボード1位を獲得しています。

ベベ・ビュエルとのカバー曲

Bebe Buell COVER GIRL

"The Little Black Egg"と"Funtime"は、演奏・バックヴォーカルなどをカーズがつとめ、 リック・オケイセックがプロデュースを担当したベベ・ビュエル(Bebe Buell)の1981年リリースEP COVER GIRL の収録曲ですが、リックとベンがそれぞれヴォーカルを入れたバージョンがこのアンソロジーで初公開されました。

アルバムSHAKE IT UP 制作中あたりの頃、1981年初めにシンクロ・サウンド・スタジオで行われたレコーディング・セッション のようです。COVER GIRL は4曲入りで、残り2曲"My Little Red Book" "Wild One Forever" はリック・デリンジャーのプロデュース。

2曲ともカバーソングで、"The Little Black Egg" は60年代のThe Nightcrawlers の曲。 "Funtime" はリックも大好きなイギー・ポップの曲です。ベンがヴォーカルを入れたセッションの際に イギーもシンクロ・サウンドに遊びに来ていたそうで、ベンのバージョンを聴いたイギーに「俺より俺っぽい」と 言わしめたそうです[1]。確かにそれくらいベンのヴォーカルがハマりまくっています。

ベベ・ビュエルは元プレイメイツでもあり、音楽活動もしていますが、今は女優リヴ・タイラーの母として有名かも知れませんね。 ベベは数多くのミュージシャンと浮名を流し、スティーブン・タイラーとの子を授かるも、ドラッグまみれだった当時のスティーブンとは 別れ、元彼トッド・ラングレンの所へ。結局彼とも後に別れるがトッドはリヴを娘として養い続けた…。 1981年だとリヴは当時4歳くらい。トッドとその周辺との人たちとカーズが色々な所でつながりますねぇ。

シングルB面 3曲

アルバム未収録のB面ソングが3曲入っています。

"That's It" は"Let's Go" のB面。"Don't Go to Pieces" は"Gimme Some Slack" のB面。 以上はベンのリードヴォーカル。"Breakaway" は"Why Can't I Have You" のB面。こちらはリックのヴォーカルです。


■脚注■

  1. 本作アルバム (Rhino/Elektra #73506) ライナーノーツ 17ページ

■参考資料■

  • 本作アルバム (Rhino/Elektra #73506) ライナーノーツ
  • 1999年リリースアルバム THE CARS Deluxe Edition(Elektra #75700)ライナーノーツ
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