The Cars Deluxe Edition
―1999年

The Cars Deluxe Edition(1999)
  1. Good Times Roll
  2. My Best Friend's Girl
  3. Just What I Needed
  4. I'm In Touch With Your World
  5. Don't Cha Stop
  6. You're All I've Got Tonight
  7. Bye Bye Love
  8. Moving In Stereo
  9. All Mixed Up
  1. Good Times Roll (Live)
  2. My Best Friend's Girl (Demo)
  3. Just What I Needed (Demo)
  4. I'm In Touch With Your World (Demo)
  5. Don't Cha Stop (Demo)
  6. You're All I've Got Tonight (Demo)
  7. Bye Bye Love (Demo)
  8. Moving In Stereo (Demo)
  9. All Mixed Up (Demo)
  10. They Won't See You (Demo)
  11. Take What You Want (Demo)
  12. Wake Me Up (Demo)
  13. You Just Can't Push Me (Demo)
  14. Hotel Queenie (Demo)
【レーベル】
エレクトラ、ライノ
【スタジオ】
Disk2 デモバージョンのレコーディング詳細は以下の通り(ライナーノーツより)
Demo3, 4, 5, 6, 12
NORTHERN RECORDING STUDIOS, Maynard,MA (1977年4月)
Demo2, 7, 9, 11, 13, 14
MUSIC DESIGNERS, Boston,MA (1977年6月)
Demo8
リックの録音スペースにて (1977年 夏)
Demo10
NORTHERN RECORDING STUDIOS, Maynard,MA (1978年10月)
Demo1
1978年11月13日 パラダイス(ボストン)でのライブ音源

デビューアルバムとデモテイクの豪華2枚組み

これも解散後にライノ様が出した、ファーストアルバムそのものに初収録曲も含めたデモ版をドーンと付けた、 ファンがひれ伏すそれはそれはありがたいリリースです。

本作とデモ版を聞き比べるのも大変面白いです。それに若々しさに溢れてます。 ラフながらもやはり演奏がうまいなぁと思ったり。 本作ではベンがヴォーカルを取った"Moving In Stereo" "All Mixed Up"を、 デモ版ではリックが歌っていて、その違いなども楽しめます。

本作でのプロデューサー、ロイ・トーマス・ベイカーの手腕も無論素晴らしいのですが、 デモテイクを聴くと、オーヴァーダビングやミックス前の段階で、もうほぼ曲が仕上がっているのがよく分かります。 1977年4月にNORTHERN RECORDING STUDIOS で録ったものはオーヴァーダブもない2トラックでの録音だそうなので [1]、 より生々しくライブ感にあふれています。返ってミキシングしまくったであろうアルバムHEARTBEAT CITY の デモテイクを聴きてみたい欲求に駆られます。

未発表5曲が素晴らしい

未発表曲は2枚目デモ集の、10曲目から14曲目。"Take What You Want" や"Hotel Queenie" は アルバムには入らなかったものの、彼らのライブでよく披露されていたようです。 カーズの中では大変にへヴィーな曲調で、彼らのライブバンドらしさを聴かせてくれます。

Greg Hawkes image

"Take What You Want" と"You Just Can't Push Me" では、 グレッグがサイドギターに入っています[2]。 "Take What You Want"でグレッグがギターを弾く姿は、後にリリースされるDVD the cars live -recorded live on musikladen 1979 で見ることができます。

"Wake Me Up" は、グレッグとデイヴィッドが入る前のバンドCap'n Swing の頃から演奏されている古い持ち歌ですね。 "Bye Bye Love" も同様に以前からの持ち歌。Cap'n Swing はレコードは出せなかったものの、幾つかの曲がネットに上がって いますので是非聴いてみてください。> Cap'n Swing 紹介ページへ

Good Times Rollだけはライブ音源

グレッグが寄稿した本作のライナーノーツによると、このアルバムを編集するにあたり、昔録ったはずの"Good Times Roll" のデモを「探したんだ。(なくてそれでも)探して…探した。うーん、ひとつも見つからなかったんだ」そうです。 しかしオリジナルアルバムとデモ集の曲の並びを同じにする為に、当時のライブ音源を入れてくれました。

ライナーノーツにライブ日の詳細が書かれていて、これはボストンのクラブ「パラダイス」でのライブ音源とのことですが、 よく読んでいなかった管理人は、長年この音源をドイツのミュージックラーデンのものだと勘違いしていました。 上でも紹介したDVDのライブです。デビュー当時のライブでは、クルマの衝突音から"Good Times Roll" に入るパターンが 多かったようですね。

見つけたら絶対「買い」です

このCDのブックレットもこれまた貴重です。デビュー頃の写真も多いし、デビュー前の彼らの曲を掛けて一躍有名にしたラジオDJ、 マキシーン・サトーリのライナーノーツや、グレッグ、エリオットによるデモ曲解説が掲載されています。

曲解説のグレッグ、当時に関する記憶力が非常によろしくて助かります。

今は廃盤となってしまっているようですが、見つけたら買って損はない品だと思います。特に初期3作が好きな方にはおススメです!


■脚注■

  1. 本作アルバム (Elektra #75700) ライナーノーツより
  2. 同上
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