Love THE CARS .Japan

ふたつのThe Carsを堪能できる

カーズはあまり映像モノを多くリリースしないせいか、出るものはどれも かなり貴重で、買って損は無い内容のものばかりです。 これはその最たるもので、ふたつのカーズを楽しめます。

バンド初期のスタジオライブと、そこからおよそ22年後の2000年に 解散以来5人が公式に集まってライブ当時を語り合うインタビューです。 これほど有難いリリースはないです。発売当時、管理人は気合を入れて商品を押さえました。 結果、手元には３本のリリース品（海外VHS、海外DVD、国内DVD）がありますけれども。あはは（笑） だって当初は国内盤がリリースされるとは思えなくて。

クールでタイトなライブバンド

さて肝心の本編は、ドイツの音楽番組ミュージック・ラーデン Musikladen のためのスタジオライブです。 1979と銘打っていますが、デビュー後にヨーロッパを廻った1978年11月後半頃に、ドイツで 収録したのではないかと思われます。国内盤DVDも当初は「1978」とタイトルを付けていたようですが、 いつの間にか「1979」にしていますね。

しかし、なんとクールでタイトなライブバンドでしょうか。サポートなしの5人の演奏がビシッと決まっています。 本作がリリースされるまで14年間近く、メンバーの動く姿といえば1984年ライブ映像と少しばかりのPVでしか 拝めず、そればかり見続けた管理人には大変に新鮮な発見の多いこのライブ映像でした。

若さに溢れギターをアピールしまくるエリオット！

コーラスで感情たっぷりにマイクに向かうエリオット！

私が知ってる風貌と全然違うエリオット！

…リックのあまりの変わらなさや、マンガチックなグレッグの楽しさ、初期曲で目立つデイヴィッドのドラムのタイトさ、 レザーの着こなしとベースリフがカッコよすぎるベンジャミン、ライブ全体の良さ等、もちろん見所は多いのですが、 管理人が抱いていたエリオットのイメージがあまりに違ったので、 どうしてもその発見に尽きるのでした。

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ミュージックラーデン名物（ウソ）、"I'm In Touch With Your World" でのグレッグの小道具鳴らしも 見ていて楽しいです。Heartbeat City の頃にはもうキーボード周りが忙しすぎるせいか、こうした楽器類の扱いを見ることが 出来ませんが、初期のライブでは"All Mixed Up" でのサックスや "Dangerous Type" 冒頭でのマラカス振りを 披露していたグレッグです。このライブでは、1回ラチェットをまわし損ねた時の「あきらめポーカーフェイス」がいいですね。

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最後の5人 勢揃い

続いて特典のインタビュー。2000年の8月頃にアトランタで行われたようです。

その4ヶ月前にはベンにすい臓ガンの診断が下されています。 やはりそれも影響して早く5人のインタビューを、となったのでしょうか。 収録がアトランタになったのも、当時ベンが住んでいたからと聞きます。

本編のライブやデビュー当時の思い出を語る5人のインタビューは、笑いも多く和やかに進みます。 解散以降、リック以外のメンバーの動向は正直拾いにくかったので、 久々に見るメンバーはこれまた新鮮でした。 デイヴィッドとエリオットはちょっと「ん？誰？」な感じも。

しかし解散後、音楽業界に残らず別のビジネスをしてきたデイヴィッドが 最も年相応にダンディになっていて、目からウロコ状態でした（ミーハーでスミマセン）。 そしてここでも新発見。エリオットはとにかくよくしゃべる！ 明るい人なんですね。84年のライブからはそんなの微塵も分からなかったぞ。

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リックよりも細くなってしまったベンは大変痛々しく、 ファンの方は気軽に見られないとも思います。 この収録の少しあと、10月3日にベンは自宅で息を引き取ります。

しかし亡くなる6日前までバンドのステージに立ち、 音楽と共に生き続けたベンジャミンの勇姿がここにあります。

素晴らしい音楽をありがとう、ベンジャミン。We still love you, Ben...

>> インタビュー動画を見てみる（part1-6）