PANORAMA―1980年

PANORAMA(1980) PANORAMA(1980)back cover
  1. Panorama
  2. Touch & Go
  3. Gimme Some Slack
  4. Don't Tell Me No
  5. Getting Through
  6. Misfit Kid
  7. Down Boys
  8. You Wear Those Eyes
  9. Running To You
  10. Up & Down
【プロデューサー】
ロイ・トーマス・ベイカー (Roy Thomas Baker)
【レーベル】
エレクトラ (Elektra/Asylum Records)
【レコーディング】
チェロキー・スタジオ(ロス)(Cherokee Recording Studio, LA)

実験的な音作り

3作目。ついに邦題は役目を終えたようです。 "Gimmi some slack" あたりに妙な邦題が付いても面白かったかも。

これまでのアルバムからベクトルがやや実験色に、薄っすらダークなアート嗜好に向いた仕上がり。 そこがこのアルバムを「一番好き」な人と「とっつきづらい」人に分ける要因でもあるようです。 管理人はこのアルバム大変好きです。

the cars image

これまで以上に活躍の多いリズム隊、ギターを何度も重ねたというレコーディングへのこだわり、 リックの歌詞の世界観等々、アルバム全体がまとまった、大変に意欲あふれる作品だと思います。 その分、これまでの軽さはやや薄れて硬派な感じ。でもそれがカッコいいじゃないですか。

凝ったリズムの出だしからサビに向かっての転換が気持ちの良い"Touch & Go"
歌詞の世界と音が絶妙に融合する"Misfit Kid"
ヴェルヴェッツの曲"I'll Be Your Mirror" のタイトルを歌詞に引用し、 ベンとリックのヴォーカルが溶け合う"You Wear Those Eyes"
エンディングまでの疾走感とエリオットのギターが最高にクールなラスト曲"Up & Down"
うーん。どれも良いです。

ジャケットデザイン

アルバムデザインは引き続きドラマのデイヴィッドです。「クルマと美女」は一回休み。 やはり音の仕上がりの雰囲気で、ここは軟派にオンナのコを使うところじゃないという判断だったのでしょうか? 前2作は赤のイメージが強かったので、返ってこのジャケットのブルーが際立ちます。

裏ジャケで5人がそれぞれギターを持っていますが、リックが持っている三日月型のは当時日本の河合楽器が製作していた 「ムーンサルト」です。"Touch & Go" のプロモーション・ビデオでもムーンサルトを持って歌っています。

祝・来日ライヴ

the cars image

リリース後のパノラマ・ツアーで、めでたく初来日を果たしました。今の所は最初で最後の来日ライブ。 東京・大阪・名古屋の計6公演。行った方が羨ましいです。(管理人は当時まだ幼かった…)

管理人ブログにて来日に関する記事を上げたことがありますので、宜しかったらどうぞ。

ターニングポイント

発売後すぐ100万枚を売上げ、アルバムセールスは決して悪くなかったものの、過去2作には下回ってしまいました。 (1stアルバムは2001年現在600万枚超え CANDY-O は400万枚超え 本作は200万枚には未到達の様子 [1]

この後のリリースは 「実験色はやめてもっとポップにせえ」とエレクトラのお偉方に言われたかどうかは知りませんが、 そういう方向になって行きます。 そのターニングポイントが、これまた「初期3作の方が好き」な人と「Shake It Up以降が好き」な人に分けます。 もちろん「どの時代も好き」も沢山いらっしゃるはず…。管理人も結局、全部好きです(笑)


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