The Modern Loversザ・モダーン・ラヴァーズ1976年リリース
- Roadrunner
- Astral Plane
- Old World
- Pablo Picasso
- She Cracked
- Hospital
- Someone I Care About
- Girlfriend
- Modern World
- Dignified & Old (Bonus Track)
- I'm Straight (Bonus Track)
- Government Center (Bonus Track)
- I Wanna Sleep In Your Arms (Bonus Track)
- Dance With Me (Bonus Track)
- Someone I Care About (Alternate Version) (Bonus Track)
- Modern World (Alternate Version) (Bonus Track)
- Roadrunner (Alternate Version) (Bonus Track)
Track:6, 15, 17
- 【関係レーベル】
- ワーナー・ブラザーズ Weaner Bros.
- 【レコーディング】
- 1971年 インターメディア・スタジオ(ボストン) Intermedia Studios (Boston)
Track:1-5, 7
- 【関係レーベル】
- ワーナー・ブラザーズ Weaner Bros.
- 【プロデューサー】
- ジョン・ケイル John Cale
- 【レコーディング】
- 1972年3月か4月 ロスにて
Track:8-10
- 【関係レーベル】
- A&M
- 【プロデューサー】
- Alan Mason, Robert Appere
- 【レコーディング】
- 1972年3月か4月 ロスにて
Track:14, 16
- 【プロデューサー】
- キム・フォーリー Kim Fowley
- 【レコーディング】
- 1972年6月 ボストンにて
Track:11-13
- 【関係レーベル】
- ワーナー・ブラザーズ Weaner Bros.
- 【プロデューサー】
- キム・フォーリー Kim Fowley
- 【レコーディング】
- 1973年秋(10月頃)ゴールドスター・スタジオ(ロス) Gold Star Studios (LA)
アルバムリリース
- 【レーベル】
- ビザークレー Beserkley Records / Rhino, Castle Music Ltd, Sanctuary, 他
アルバム紹介
パンクバンドの伝説的存在、モダーン・ラヴァーズ。 ジョナサン・リッチマンを中心としたこのバンドに、デイヴィッドは 1970年の結成から1973年頃までドラムで在籍していました。
正式なアルバムを残せなかった彼らのレコーディングデモが後にかき集められ、とうに解散した1976年 やっとリリースされたのが本作です。度重なるリイシューを経て収録数も次第に増加。アルバムジャケットも種々存在。 ヴェルヴェト・アンダーグラウンドを追っかけた当時のジョナサンが作り出す世界観と、メンバーが支えるサウンドは、 このバンドの独特な個性の強さと時代の先取り感を強烈に残しています。
カーズファンとしては、デイヴィッドのルーツ的なものを聴き取れるのも嬉しいですね。
彼がこのバンドでこういうサウンドをやってる同時期、リックとベンはバンドMilkwoodでフォークをやっている。 それが数年後に同じバンドで新しいサウンドを作ろうっていうんだから、カーズが面白くなるのもうなずけます。 デイヴィッドが歩んできたドラムスタイルは、CANDY-O やPANORAMA のアルバムサウンドに感じる、時にタイト、時にルーズな クールさを構築する大きな要素のひとつだな、と若かりし頃の音源を聴いて思います。
リイシューと音源について
The Modern Lovers がデモをレコーディングしたのは、1971年からデイヴィッド脱退の73年の間に6回あったと言われています。 そのうち、使えるものを録れずに終わったという73年9月のジョン・ケイルとのレコーディングを除いた 5回の音源が、このアルバムに集められています。以下、ネット情報を元にリイシュー順で音源を整理してみます。
- オリジナルリリース
1976年の初回リリース時は"Modern World"までの9曲収録でした。
"Hospital"はバンド初めてのレコーディングである1971年秋か冬、ボストンでの音源。
2000年のカーズ5人のインタビューでデイヴィッド自身が「初めて足を踏み入れたレコーディングスタジオ」と触れている、 インターメディア・スタジオでの録音です。ここは後にカーズが買い取って「シンクロ・サウンド」に作り変えたスタジオでもあります。
レコーディングには大手のワーナー・ブラザーズが関与しており、デビュー前ながらバンドの原石っぷりが感じられます。 1-5曲目、7曲目は1972年春にバンドがロスに行き、ワーナー用にレコーディングした音源。 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの元メンバー、ジョン・ケイルがプロデュースです。
8-9曲目も同時期の1972年春、ロスでのレコーディング。しかしこちらは同じくバンドに興味を示した A&Mによるレコーディング。プロデューサーはAlan MasonとRobert Appereです。
ここまでがオリジナル収録曲。 - 1986年リイシュー
1986年にビザークレーがリイシューし、"Im Straight"を追加。これは1973年秋(10月頃)ロスでの
レコーディングで、上手くいかなかったケイルに代わり、ワーナーがキム・フォーリーを差し向けGold Star Studiosで
改めて録ったもの。
これがバンド最後のレコーディングです。 - 1989年リイシュー
再発系レーベル・ライノがCDでリイシューし、以下の2曲が追加され計12曲収録に。
"Dignified & Old"は8-9曲目と同じ1972年A&Mの音源。 "Government Center"は上記"Im Straight"と同じ1973年フォーリーとの音源。 - 2003年リイシュー
この辺りのリイシューデータは英Wikipediaでは サンクチュアリ、allmusicでは Castleになっていますが、当時Castleはサンクチュアリに吸収されているので、まぁどちらとも取れるのかも。 詳しくなくてゴメンナサイ。
この時に13曲目から17曲目が追加され、現在に通じる17曲収録になりました。
13曲目"I Wanna Sleep In Your Arms"は73年秋フォーリーとの音源。 14曲目"Dance With Me"と16曲目"Modern World (Alternate Version)"は、 1972年6月ボストンにやって来たフォーリーがバンドと行ったレコーディング音源らしい。 Alternate Versionの"Someone I Care About"と"Roadrunner"は、"Hospital"と同じ1971年 レコーディング音源。
あれこれ入り組んでいますが、これだけ集められ発表されたのは嬉しいかぎりです。 それだけこのバンドが作った音に需要がある証拠ですね。レコード会社の関心の高さも納得です。 デモのラフさが、返って整えられた音よりもジョナサンとこのバンドのスタイルに合っている気もします。 回りまわって結果オーライ、ということにしときましょ。