SHAKE IT UPシェイク・イット・アップ―1981年
- Since You're Gone
- Shake It Up
- I'm Not The One
- Victim Of Love
- Cruiser
- A Dream Away
- This Could Be Love
- Think It Over
- Maybe Baby
- 【プロデューサー】
- ロイ・トーマス・ベイカー (Roy Thomas Baker)
- 【レーベル】
- エレクトラ (Elektra/Asylum Records)
- 【レコーディング】
- シンクロ・サウンド・スタジオ(ボストン)(Syncro Sound Studios, Boston)
前作よりも ポップに
4作目のアルバム。ポップになりました。「来るべき(80年代の)音」にバンドの軌道を決めたって感じです。 楽器や機材などを駆使した計算された音作りには変わりないけれど、 1曲ごとが親しみやすく、ノリも良い。だから売れましたね。
前作パノラマの後、バンドは地元ボストンに本拠地となるスタジオSyncro Sound(シンクロ・サウンド)を所有します。 完成当時からボストンで最新鋭スタジオといえばここ、というほど良いスタジオだったらしいですよ。 このアルバムはそこでレコーディングされた記念すべき作品です。他のアーティストにも数多く使用されていました。
しかしカーズとして そこでレコーディングされたのもこのアルバムだけで、次のアルバムはイギリスなど別のスタジオを使用。 そして1986年暮れにはスタジオ売却となりました。グレッグのソロなどはここを使ったそうですよ。
パステルカラーのカーズ
前アルバムのシングル"Touch and Go" で既に「なんちゃってスパイ」仕立ての特徴ある ミュージックビデオを作っていたカーズですが、 アメリカでのMTVの台頭も手伝って、シングル"Since You're Gone" や"Shake It Up" ではより印象的なビデオを作っています。
そのビデオ2作を見てもよく分かるのは、これまで通してきたバンドのスタイル、コンセプトをここでガラッと変えてきたこと。
これまでのコンセプトは「白・黒・赤とストライプ」とバンドのアートディレクター、デイヴィッドが決めて、 ステージ衣装もステージセットもばっちり構築してきました。それがどうでしょ。アルバムのポップさに呼応してパステル系のカラーを 多用しています。メンバーが羽織るターコイズブルーやピンクのジャケット、"Shake It Up" のビデオの派手で明るい演出。 そしてそれらが世間に好意的に受け入れられた。セールスも知名度も、もっと上がったわけですね。
デイヴィッドはアルバムジャケットにも真っ赤な口紅美女を戻しました。タイトルに引っ掛けてシェイカーを持たせるおまけ付きです。 (オ◯ジギャグじゃないと思いたい)
バンドは充電期間へ
リリース後のツアーを終えたバンドは、この後しばし静かになります。
リックとグレッグはそれぞれ初のソロアルバムを作り、エリオットはジュールズ・シアーのアルバムに参加し、と各々過ごします。 デビューからこれまで、およそ1年毎にアルバムを出してきましたが、次のアルバムリリースは、このShake It Upから約2年半後と なるのです。
■参考資料■
- アルバム SHAKE IT UP(WPCR-14385)ライナーノーツ(矢口清治 寄稿)